学校長あいさつ
チューリッヒ日本人学校補習校
校長 長森 千枝
今年度は、47名の新入生を迎え，児童生徒在籍総数186名で新年度を開始しました。
法人チューリッヒ日本人学校は，1975年開校の「日本語学校」を前身とし，創立当初より在スイス日本国大使館，日本商工会，日本人会をはじめ多くの方々の献身的なご尽力を賜りながら，歴史を歩んできました。ご支援をいただいている方々に厚く感謝申し上げます。今年度も，全日校と協力し合い，子どもたちの安全と楽しく学ぶ環境整備に力を尽くし，今日まで受け継がれてきた補習校をスイスにおける良質な国語教育の場として未来につなげていけるよう努めてまいります。
補習授業校とは，現地校に通学する児童生徒が，基幹教科の基礎的基本的知識・技能および日本の学校文化を，日本語によって学習する在外教育施設で，文部科学省，外務省から政府援助を受けています。小中学部と高等部は，文部科学省「学習指導要領」に基づき，日本国内で使用されている教科書を用いて国語教育を行っています。
本補習校では，幼稚部から高等部までの幼児，児童，生徒が土曜日のみ２時間の授業を受けています。国語学習を必要としている子，家族や親戚や日本語話者との意思疎通に役立てるために日本語を学びたい子，自分とつながりのある日本について深く知るために学びたい子，日本語を将来職業に生かしたいと思っている子どもたちが本校に通ってきています。週日は，国際学校あるいは，現地校に通いながらの限られた国語学習であるため，宿題をして学習を定着させていくことが欠かせません。子どもたちは，国語教育をとおして，日本の慣習や文化を体感しながら仲間と出会い，励まし合い，楽しくかけがえのない時間を過ごす中で友情を育みます。日本とつながり，日本語を通じたつながりを広げることができる補習校は，子どもたちの心の故郷日本と言っても過言ではありません。子どもたちが日本語と日本をより深く理解し，表現し，人とつながる力を身につけられるよう，教職員一同一丸となって取り組んでいます。
世界がつながり合う社会で一人一人がよりよく生きていくためには，多様性を理解して共感する力，未知の問題を解決する思考力，伝え合う力がますます必要とされ，多言語，多文化環境で育つことは，大きな強みになります。複言語，複文化主義を掲げる欧州評議会に加盟しているスイスは，地理的，歴史的背景からも，4か国語を公用語とする多言語国家で，母語育成や多言語の習得に理解がある国です。本補習校においても，現地で教育を受けながら，日本文化を理解して使える日本語を習得し，高い国語力を身につけた人材が育っています。本校を巣立っていく中学部・高等部卒業生は，毎年「補習校で培った高い国語力は人生を豊かにする。続けてよかった。」という確かな言葉を在校生に残していきます。スイスと日本，ひいては世界の架け橋となり社会に貢献できる人材育成の支援ができることは，私たちの大きな喜びです。一人一人の国語力を伸ばし，子どもの中に息づく日本を保護者の方々と共に少しずつ育み，日本人学校に関わる皆で力を合わせ，日本語があふれる楽しくすばらしい補習校をつくっていけることを願い，ご挨拶といたします。
全日校 月曜日～金曜日
補習校 土曜日
+41 (0)44 941 15 54
＜全日校＞jszurich@bluewin.ch
＜補習校＞hoshukoz@hotmail.com
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